あとがき
言うまでもないことですが、ここに書かれているのは、一握りの事実と、大量のうそっぱちです。
あまり自分のことを語らない義経さんが語った、バナナに抱くトラウマと疑問、本気で宇宙飛行士を目指した話などを総合し、「なぜ屋上でバナナは溶けたのか?」という謎を解明すべく、義経さんのために書いたメール小説をほぼ全面的に書き直したものです。
web小説として発表するにあたり、デパートへ行くまでの話や、メールですっとばした部分を埋めるため、それまで自分の企画として温めていた「翔君物語」のネタを使いました。
「翔君物語」は「翔君と花電車」「翔君とデパートの屋上」「翔君と夢の大阪万博」という三話構成で、昭和40年代半ばの話です。グッピー世界大会へ出品を目指すブリーダーのお父さんと、翔君、尚ちゃんの日常生活を描く話なんですが、ストーリーの中心になる「少年探偵団対テキヤ連合」の骨格がイマイチまとまらず、棚上げしていた企画です。小ネタはずいぶん集めていたし、脳内流用できる部分も多かったので、書くのは楽でした。
ただ、時代背景は概ね合っていると思うのですが、若干前後している部分もあり、この話を昭和何年に想定するかによって、岩崎さんが青年なのか少年なのか、微妙なところです。
いきなり岩崎さんが出てきたのは、岩崎さんを師匠と慕う義経さんが喜ぶんじゃないかというほんの思いつきだったのですが、案の定、えらく感動していました。初登場の回の反応が一番激しかったです。
あのへそ曲がりのエリートが、なんでこう盲目的に人を尊敬できるのか不思議ですね。
メール小説の段階ではちょい役だったのですが、webとなるとそうもいかず、準主役級の活躍をして頂きました。
あと、メール小説の段階で、吉田くん、石井くんという架空の人物しか想定していなかったクラスメイトの児童たちとして、所沢グッピー倶楽部の面々にも登場してもらいました。
みっちゃんは実は最初、女の子のつもりだったんですが、義経さんがわたしと勘違いされており、そのまま男の子にしました。そして、web版を書くにあたり、わたしではないよということを示すため、スカンジナビアクウォーターという設定に直しました。でも、Labで久々に会った義経さんの第一声は「よっ、スカンジナビア人」だったなあ。ちゃうっちゅーの。
八木先生にはメール版では名前が無かったのですが、最後の活躍を読んだ義経さんから、八木先生を思い出したという感想を貰ったので、そのまま使わせて頂きました。どんな人なのかは知らないです。
タイトルや出だしから想定して、このような話になると誰も思わなかったでしょう。
それは義経さんも同じだったようで、途中から、なにがどうなるの?と、戸惑い気味でした。
自分的には、デパートの屋上と宇宙飛行士を結び付けないといけないので、必然的な結果だったのですが。
ただ、話をずいぶん入り組ませてしまったのと、月光の登場で、ぐちゃぐちゃになってしまった感はあります。メール版は随分シンプルな内容でした。振ったネタは回収して終る主義なのでしょうがないですね。(笑)
えーと、後、義経さんが足蹴にした後輩はまだ宇宙に飛んでいません。国際宇宙ステーション勤務を目指し訓練中です。連載期間中、タイムリーに野口さんがシャトルへ乗ったので、一言付け加えておきますね。
日本人宇宙飛行士は8人しかいません。この中に義経さんが加わっていたかもしれないと思うと、とてもコワいです。グッピーの無重力産仔なんてのが出来るなら見たいですが、日本人の代表としてどうなんだろう。(笑) なお、宇宙開発事業団は現在、JAXA(宇宙航空研究開発機構)に統合されています。
久々の小説でしたが、やっぱ三人称は下手クソだわ。
単純にいうと、「・・す。・・た。・・す。・・た。」のスタスタ文、「・・た。・・た。・・た。」のタタタタ文を使い分けてリズムを作ってるだけです。
外見的なことだけ書いていながら突然内面を書くキテレツさ、三人称は苦手です。
それはともかく、レトロブームは肌で感じていて、自分でもなんか1本書いとこうと思っていたので、良い機会でした。楽しんでいただけたら幸いです。
2005.08.15 飛翔☆
後輩くん。大役を務め、歴史に名の残る宇宙パイロットになりましたね。